2023年01月06日

世界早産児デーイベント『小さな命の写真展』を訪問しました!

令和4年度訪問事業No268-14
訪問先:愛知リトルベビーサークル希望の光
2022年11月26日(土曜日) (訪問スタッフ 魚住)
イオンモール木曽川にて

●愛知リトルベビーサークル希望の光とは?
10人に1人と言われる低出生体重児の母親や家族が、孤独を感じずに、子育てを前向きに行えるようになることを目的に活動をしている団体です。同じような境遇の人と繋がれる場を提供したり、社会全体へ向けての周知活動や啓発活動を行っています。

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代表の五島さんにお話を伺いました。

●団体をはじめたきっかけは?
私の息子は7年前に742gで産まれ、当時は不安があっても誰に相談してよいのかわからなかったり、他にも同じ境遇の人がいるはずなのに繋がる手段がなかったりしました。何をするにも手探りの中、ようやく出会えたリトルべビーを子にもつ先輩から伺うお話や、リトルベビーから大きく成長した子どもの存在は、自分の中でとても大きな希望でした。
愛知リトルベビーサークル希望の光の運営スタッフ8名は、私がこの活動を始めてから1年ほどで集まってくれた人たちです。一人ひとりが私と同じように、自分自身の経験から「当時の自分と同じ不安な想いをしてほしくない」「自分が辛い時に繋がりを持って救ってもらった分、今度は自分が恩返しをしたい」と、強い想いをもって活動しています。

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●最近の活動の様子は?
月に1回、「お話し会」をZoomで開催しています。2,500g以下で子を産み、育てるママたちが、情報共有や相談をする会です。
参加者は、継続して参加される方と新規の方を合わせて毎回4,5人ほどです。0~1歳の子をもつママが多く、中にはNICU(新生児集中治療管理室)に子どもがいる人も来てくれたりします。2歳以上の子どものママは、これからの不安を話すことに加え、自分の経験を後輩ママに伝えてくれています。

愛知リトルベビーサークル希望の光のInstagramから、様々な情報を発信しています。
@littlebaby_light.of.hope
https://www.instagram.com/littlebaby_light.of.hope/

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(3) 活動の中で印象的だったエピソードは?
お話し会で知り合ったママたちは、たまたま子どもの年齢が同じだったり、症状が同じだったりすると、1度きりの関係で終わらないことがあります。お話し会がママの第1の接点となって、一緒に遊ぶ仲間や相談できる人、勇気をもらえる相手を見つけていく皆さんの様子を見ていると、こういう場所をつくってよかったと改めて思います。

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●メンバーの黒柳さんにもお話を伺いました!
この活動は、主に普段言えないことや複雑な想いを一人で抱えている人たちが、同じような境遇の人と繋がれる場所を作っています。加えて、様々な職業の人…例えば、ベビーマッサージ、ママケアができる人、保育士、助産師、救命救急室の医師と繋がるきっかけを作ったり、コロナ禍で受け入れ病院を探すのに苦労していた方に、SNSを使った情報拡散で協力したりしたこともありました。
自分もこの活動を通して人と繋がり、救われた経験があります。リトルベビーにまつわる寂しい気持ちや不安な気持ちを様々な形で安心や希望に変えられる、素敵な活動だと思います。

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●世界早産児デーイベント『小さな命の写真展』について
日時:11月24日(木)〜26日(土)10時〜21時(最終日は17時まで)
場所:イオンモール木曽川1階中央入口前

世界早産児デーはヨーロッパNICU家族会および提携している家族会によって制定された記念日で、100カ国以上でイベントや活動が行われています。1人でも多くの方に現状を知ってもらうため、愛知リトルベビーサークル希望の光はイオンモール木曽川で写真展を企画しました。
3日間で400人を超える来場者でしたが、その中にはリトルベビーのご家族や、ご自身がリトルベビーだった方の来場も多く、10人に1人という数の多さ、声を上げられない様々な悩みがあることを改めて実感しました。ふらっと立ち寄った方からも、こんなに小さいの、頑張ったんだね、可愛いねと多くの声が聞こえてきて嬉しかったです。また、自分がリトルベビーだった方が当時の自分の大きさを実感し、親への感謝で涙を流されることもありました。

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●活動上の課題や、困りごとは?
市や病院には、私たちの活動を受入れてくださるところもあれば、なかなか入り込めないところもあります。今回の写真展を様々なメディアに取り上げてもらい、多くの方が来場してくれたように、徐々に認知度を上げ、多くの方の想いや信頼を受けて、活動を広げていけたらと思います。
また、一宮市内の療育や病院などについては自分が一宮市在住ということもあって詳しく話すことができます。しかしこれからは他の市町についてもスタッフや関係者から情報を集め、愛知県内のできるだけ多くの地域で同じように安心して暮らせるようにできたらと考えています。“愛知”リトルベビーサークルとして、頑張ります。

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(5) 今後の展望は?
リトルベビーといってもいろんな子がいて、障がいが残る場合や、亡くなってしまう場合もあります。私一人では、わからないこと、伝えられないことはありますが、たくさんのリトルベビーご家族が繋がることで、みんなで支え合える環境になっていけると思います。今後はさらに繋がりを大切にして、リトルベビーに関わる様々な人の希望の光になるような活動にしていきたいです。

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●訪問して(スタッフ:魚住)
 私は今回の訪問で、自分の子どもに直接触れることや元気な産声を聞けることが、当たり前ではなくとても尊いことなのだと知りました。団体の立ち上げから1年で10名近くスタッフが集まっている事からも、代表の五島さんの想いの強さや運営の努力はもちろんのこと、活動内容の必要性や、悩んでいる人の多さを窺うことができます。
悩みを打ち明けられずに悩んでいるリトルベビーの親のみなさん、運営メンバーや専門家としてリトルベビーに関する支援への助力を考えている方、ぜひ1度、愛知リトルベビーサークル希望の光の活動を覗いてみてください。
posted by iCASC at 15:14| インタビュー(訪問事業)