2021年12月09日

11月5日(金)「NPO現場見学バスツアー」オンラインで開催しました!

 2021年11月5日(金)、「オンライン・ヴァーチャル版NPO現場見学バスツアーvol.2」が開催されました。当日は登録団体などから6名の方が参加されました。現場に同行したセンタースタッフの魚住・今福より、当日のスタッフ目線で報告いたします。

 昨年に続き今年も青空の元で開催されました。画面越しでも、皆様に知多の気持ちの良い空気を感じていただけたことでしょう。

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 ツアーのスタート地点である知多市市民活動センターは知多市役所の北側にあります。最寄りの名鉄朝倉駅の駅前は広範囲で工事中でした。令和9年に予定されているリニア中央新幹線の開業に合わせ、知多市の玄関口として市役所から商業施設までの一帯に様々な整備が行われるようです。

 知多市市民活動センターに着くと、挨拶もそこそこに準備が始まりました。当日の機材は、360°集音マイク兼スピーカーやライト、カメラ2台にノートパソコンと様々です。

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 一方、一宮市市民活動支援センター(以下、センター)では、フリースペースにサテライト会場を設営し、気軽に参加できる体制を整えました。

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 無事、10時30分にスタートしました。最初にセンタースタッフ魚住からオンライン参加について簡単な説明をして、いよいよ第1部が始まります。まずは知多市市民活動センター内の紹介でした。案内はNPO法人地域福祉サポートちたの安藤さんが、カメラはセンタースタッフの今福が担当しました。

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 途中、光の調整が上手くいかない機材トラブルもありましたが何とか乗り越え、知多市のセンターの開設や役割など、カメラを通して実際の施設内を見ていただきながら紹介しました。
 知多市市民活動センターは、市民が市民を育てるまちづくりの総合拠点として、生涯学習、ボランティア、NPOの人材育成の分野で中核的な役割を担う3団体がセンター内に集約されていることで幅広い活動を総合的にサポートしています。一宮市のセンターとは色々な違いがありましたが、知多市も一宮市も、それぞれの施設や地域の団体に合うように考えて作られています。

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 その後、NPO法人地域福祉サポートちた代表理事の市野さんから、知多市の「地域住民主体の協働によるまちづくり」について解説がありました。「困った時はお互いさま」の精神が知多地域に根付くきっかけとなったお話から始まり、現在までの発展、今後の展望など、短い時間に知多地域における市民活動の歴史がぎゅっと詰まっていました。
 最後には、令和元年度の内閣府調査結果より「過去1年間で活動したボランティアの分野は何ですか?」というクイズもありました。皆さんは、わかりますか?
答えはこちら▼
https://www.npo-homepage.go.jp/toukei/shiminkouken-chousa/2019shiminkouken-chousa

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 第2部は、NPO法人知多地域成年後見センター理事長の今井さんの解説がありました。今井さんは移動先からの配信となり、オンライン版のメリットを活用する形となりました。
 成年後見制度は、判断能力の低下によって法律面や生活面で生じる様々な問題から身を守る制度として、平成12年に介護保険制度と共にスタートしました。一宮市では成年後見制度の窓口が高年福祉課や地域包括支援センターとなっている一方で、知多地域になぜ「成年後見センター」が必要だったのか、そしてどのようにして設置へ至ったのかを学びました。
 また成年後見制度という個々の生活環境に直に影響するものに携わる今井さんのお話には、日常的なボランティア活動の中でも必要となる考えがあるように感じられました。

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 質疑応答の時間には「成年後見制度は使わない方がいい。地域のみんなで助け合えれば、公金を使うこの制度は必要ない。」とおっしゃっていたことが、とても印象的でした。

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 第3部は、とまと記念館に伺いました。こちらは行政と地元企業、NPOの協働によって実現した場所です。
 青空の下、とまと記念館前から建物の紹介が始まりました。とまと記念館はカゴメ株式会社創業者の子孫が建て、フランス料理店となりましたが、その閉店後は東海市が食の情報発信基地として管理し続けている、歴史ある建物です。運営を委託されている「NPO法人LET’S食の絆」の江口さんより建物などの解説がありました。

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 館内1階のレストランを紹介された後、2階の展示室で、今度は江口さんと東海市健康推進課の長谷川さんから、東海市の「トマトdeまちづくり協定」を中心に野菜を生かした健康づくり推進事業について説明がありました。また江口さんからは、とまと記念館の成り立ちや、建物自体の価値と地域で担う役割の大切さについてもご紹介がありました。行政、NPO、企業の3組織の協働の大切さを深く感じる事例でした。

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 そんな貴重なお話のあと、スタッフはとまと記念館のランチをいただきました。トマトジュース、前菜、メイン料理、ドリンク、デザートのコース(700円)には、レストランを運営している、東海市食生活改善推進員の皆さん(平均年齢72歳!)のあたたかな気持ち、NPO法人LET’S食の絆と東海市の健康づくりに対するご尽力、地域と共に在ろうとする地元企業の姿が詰まっています。リモートでは参加者の皆さんへこの美味しさをお届けすることはできなかったので、ぜひ現地へ足を運び、その価値を感じていただければと思います。木・金・土曜日の11時〜14時に営業、要予約です。

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 最後となる第4部は南粕谷ハウスの皆さんにお話を伺いました。最初に事務局長の石井さんに建物内をご紹介いただきました。ハウス内のフリースペースでは100歳まで健康でいることを目的とした筋トレ教室の真っ最中でした。そのほか作品の展示、福祉施設の手作りパンの販売、地域の方が育てたお花や野菜の販売など、この地域の人々のぬくもりが散りばめられている場所でした。

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 インタビューでは、事務局の石井さんとボランティアのお三方に、南粕谷ハウスの成り立ちとコロナ禍における活動を中心にお話しいただきました。
 南粕谷ハウスは、南粕谷という地域の特色により一気に少子高齢化が進んだことや、その課題解決にコミュニティスペースが必要だという地域の皆さんの意見から生まれたそうです。ハウスでは「自分たちのことは自分たちで考える」という利用の仕方をベースにしており、コロナ禍でも安全ラインをみんなで判断しながら、できるだけ活動中止にする選択肢はなくしていく工夫をされていました。最近では、ワクチン接種のネット予約における助け合いや、バンド結成から派生した音楽教室の話など、それぞれの得手不得手を補い、支え合い、強く生きる人々の姿がありました。

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 今回のNPO現場見学バスツアー、いかがでしたでしょうか?市民、NPO、行政、企業のさまざまなかたちの助け合い(協働)がたくさん詰まった知多地域の魅力を感じていただけましたら幸いです。そして一宮市にも思いを馳せ、一宮市の協働の可能性やあなたの次の行動へと繋がるヒントとしていただければと思います。

 当日ご参加いただけなかった方のために、バスツアーの動画を各部に分けて公開いたします。センターブログなど最新情報をご確認ください!