訪問先:りぶらぼ 一宮市の図書館イベントボランティア
2021年11月17日 (水曜日)(訪問スタッフ:魚住)
一宮市市民活動支援センターにて
りぶらぼ 一宮市の図書館イベントボランティアとは
本を借りるだけではない図書館の可能性を考え、図書館を中心とした文化的なまちづくりのために活動されている団体です。図書館のイベントボランティアや、本に関わる文化イベントの企画・開催をしていくことで、より多くの市民が図書館や本に触れる機会を提供しています。
情報サイトはこちら▼
https://www.138npo.org/info/group/index.php?group_id=529

代表の西村さんを取材しました。
■団体を始めたきっかけ
同じ本を読んでいる2人が出会ったら、自然と話がはじまります。図書館は単純に本を借りるだけでなく、対話を行うきっかけの場所、大人も子どもも全ての人の教育を市民が共に作っていく場所、様々なものが生まれる場所としての可能性を秘めています。そんな思いを持った代表の西村さんは、8年前、NPO法人志民連いちのみやの星野さんとの出会いをきっかけに、「図書館×まちづくり」の想いがどんどん膨らんでいったそうです。りぶらぼは、「まちに飛び出す」をキーワードに、図書館、本、対話について伝えていく、まちづくりのひとつの形として発足しました。
また、図書館司書をされている西村さんにとって、子ども司書講座で資格を取った子どもがその資格を生かす場所を作ることも大切なポイントだったそうです。
■これまでの活動紹介
団体の立ち上げが2年前で、対話を中心とした活動のため、コロナ禍に頭を悩ませていました。そのような中で、今年度行われた市民チャレンジ事業をインタビュー形式でご紹介します。
・いちのみや市100周年市民チャレンジ事業「138 ARTBOOK PROJECT」
138 ARTBOOK PROJECTは、「これからの一宮市を考えるためのアートブックをつくる」企画です。思わず手に取りたくなるような芸術性がありつつ、内容は市民のみんなで作られ、一宮市のことを考える時に起点となるような本を作られています。
Q。
企画のポイントは?
A.
「哲学対話を行う場をつくること」も企画のテーマでした。子どもから大人まで様々な人々が、自分で考えたことを人に伝え、対話することを楽しめるようにという想いも込めています。
(じっくり対話を行うために、チラシで人を集めることやアイスブレイクにも力を入れていて)本の内容をつくるワークショップでは、対象に合わせたアイスブレイクとして工作をしたり、一宮市やSDGsについて学んでから哲学対話を行いました。
↑ワークショップ「織物工場編」の様子
Q.
哲学対話って何でしょう?ワークショップの対象は子どもから大人まで多岐にわたるそうですが、小学生にはなんだか難しそうですね。
A.
全く難しくないですよ!哲学対話は、あるテーマについてその場で考えたことを、みんなで対等に、気楽に話し合うことです。考えることって誰しも行っていることですよね。それを表現するだけです。むしろ子どもの方が考えていることを自由に伝えられるので、純粋に対話を楽しめていたように思います。
Q.
印象的だったことは?
A.
哲学対話のファシリテーターをお願いした市民活動団体「犬てつ」のミナタニさんの進行方法ですね。話の途中で立ってもいい、話したくなったらいつでも戻っていい、という形だったんです。最初に小学生向けの対話を行った場所(※)がとても良かったことも相まって、ワークショップの途中なのに話に飽きたら他の場所に行って、散歩して遊んでるんですよ。そして、気が向いたら戻ってきて、それまでの流れを気にせずいろんな発想を持って来るんです。
今後も子どもたちが対話する環境、ひいては子どもたちで意思決定できる場を作っていくにあたり、様々なことを学ばせていただきました。
(※)株式会社エコ建築考房の一宮ショールーム。レンタルスペースとして企画に協力されています。
一宮市への様々な想いが詰まった100ページにもわたるこのARTBOOKは、現在製作中です。完成をお楽しみに。
▼138 ARTBOOK PROJECT公式HPはこちら
http://ehon100.wp.xdomain.jp/
■活動上の課題や、困りごと
これらの作り込まれた活動を行われる中で様々な悩みや葛藤があったことと思いますが、インタビューでは大きく3つを挙げられました。
@運営スタッフそれぞれの思いを1つの方向にまとめていくのが大変
それぞれの思いをぶつけあい、尊重し合いながら作り上げていく大変さと楽しさを話されていました。
AARTBOOK単体のHPはあるが、りぶらぼとしての広報は、現状facebookのみ。HPの定期更新などのハードルが高い
告知、報告、日常投稿など、より多くの方に情報を届けるために行った方がよいのはわかっていても、なかなか手が回らない部分です。
B課題はわかっても、どのような解決案があるのか、その糸口となる人々とどう繋がっていったらよいかわからない
地域での様々な団体活動を見て、様々な方々と繋がりながら、進んでいけたらと話されていました。
団体運営にあたり、共感される方も多いのではないでしょうか。横のつながりを作りたいというりぶらぼさんの希望もあり、センターでは他の登録団体へ自由に情報共有ができるよう何らかの方法を考えています。続報をお待ちください。
また西村さんは、毎月センター相談事業を利用し、NPO法人アスクネットの白上アドバイザーへ様々な相談をされています。これからどんな企画が出来上がっていくのか、期待が膨らみます…!

■訪問して(スタッフ:魚住)
私自身、日頃からボーイスカウト指導者として子どもたちの話し合いの大切さを考えている身としても、ARTBOOKの企画内容はとても興味深いものでした。ワークショップのアイスブレイクは大人にとっても魅力的なものばかりです。ぜひみなさんにもりぶらぼさんのfacebookを見てもらいたいと思います。
また、西村さんはインタビュー中に私が普段行っている活動についてもたくさん質問してくださっていて、できる限りどこからでも何か活動のヒントを得ようとしている前向きな姿に励まされました。りぶらぼさんの今後の企画も、注目してもらえたらと思います。
また、ARTBOOKのワークショップで使用された可愛いイラスト付きのオリジナルSDGs表や、ウォーカブルプロジェクト社会実験2021「Go to Read まちなかで、本を読もう」(※)で作成された「木のおうちの本棚」の貸し出しも行われているそうです。詳細はりぶらぼさんまでお問い合わせください!
(※)ウォーカブルプロジェクト社会実験2021「Go to Read まちなかで、本を読もう」の様子はこちらをご覧ください。▼
http://138cc.sblo.jp/article/189183419.html