2021年11月02日

「闘病で脱毛する女性に届けたい100枚のタオル帽子」に訪問しました。

令和3年度訪問事業No.240-4
訪問先:NPO SUNNYサポートチーム
2021年10月5日 (火曜日)(訪問スタッフ:魚住)
i-ビル6階小会議室にて

■NPO SUNNYサポートチームとは
 『闘病による容姿や気持ちの変化などに専門的に寄り添うメンバーと繋がる場所がある』というプチ患者会のようなコミュニティがあれば闘病中のお困りごとに少しでも解決の糸口を一緒に見つけれれば・・・という想いで市民団体として地域に貢献していくことを目的としています。
詳細は情報サイトより▼
https://www.138npo.org/info/group/kihon.php?group_id=556

<代表の南さんとメンバーさんにインタビューしました!>
■団体を始めたきっかけは?
 代表の南さんは美容室を経営されており、医療用ウィッグを希望される方と接する機会がありました。「情報がもっと欲しい」「自分のように治療中の方や経験のある方と繋がりたい」という患者さんのお話を耳にし、「美容院の仕事以外でも自分に何かできないか?」という気持ちが生まれたことがきっかけだったそうです。
 患者さん同士を繋げる、応援したい人の想いを闘病中の方へ繋げる、顔のわかる人からの確実な情報を必要な人へ繋げる、病院と個人を繋げる。「闘病している患者さんの架け橋になれたら」という南さんの想いから、団体が発足しました。

■「闘病で脱毛する女性に届けたい100枚のタオル帽子」
 2020年6月、人からの紹介でTeam Apop(チームアポピ)(※)と繋がったことをきっかけに、コロナ禍でなかなか外へ出られないApopの方々と、初めての企画に手探りな南さんのコラボレーションが始まりました。
※1:Team Apop
 抗がん剤の副作用で髪を失った方に タオル帽子(アポピキャップ)を作り、届ける活動をしている団体。

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 2021年6月にカフェ「ピルエット」や介護施設「ヴィヴァハウス」で帽子づくりを行ったことが新聞や地方誌で取り上げられ、活動は広く知られることになりました。
 この秋には市制100周年チャレンジ事業として「闘病で脱毛する女性に届けたい100枚のタオル帽子」を開催中です。参加者同士の交流、参加者に対する抗がん剤治療経験者のメンバーからメッセージ、リンパマッサージなどのマメ知識、「私が作りました」カードの作成など、タオル帽子作成を中心に様々な工夫がありました。
 NPO SUNNYサポートチームの「闘病中でも、おしゃれを忘れず明るく過ごしてもらいたい。笑顔が戻ると家庭も明るく元気に、ひいては街も元気になる!」そんな想いがつまっています。

※2:「私が作りました」カード
 野菜に記載された「生産者の顔」をヒントに作成が始まったそうです。カードは作成者の顔が見えることで受け取り手の安心感を生むとともに、闘病を応援しようと強く願う方々の存在に想いをはせるきっかけにもなります。

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 それ以外の活動では、オンラインプチおしゃべり会として情報交換の場を提供されています。インターネットが普及して情報が飽和している今だからこそ、地域の中で顔がわかる人からの情報を大切にしたいという団体の想いがありました。

■活動の中で印象的だったエピソード
 帽子作成者の方には、代表の南さんの美容院で医療用ウィッグを希望して帽子も受け取り、周囲に話した口コミがきっかけで来てくださった方もいたそうです。地域として繋がっていく実感を持たれたお話でした。
 またヴィヴァハウスで帽子を作成された方の平均年齢はなんと約90歳だったそうです。自分たちとは全く違う熟練した手つきへの驚きを話してくださいました。

↓手作りの貸出用裁縫セット。
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■活動上の課題や、困りごとは?
 一宮市は織物のまちで、裁縫が得意な方も多いはずというタオル帽子への期待もあり、メンバーをもっと増やし、それぞれ得意なことを生かして一宮を盛り上げていきたい、さらに大きなことへと発展させていきたい!と話してくださいました。発信力を上げるため、SNSが得意な若者も来てくれたら嬉しい!とのことでした。

 一方で、100周年チャレンジ事業に取り組んでいく中で困りごとが解決している感覚もあるそうです。
広報がしっかり行えることや始めたばかりの活動でも市が通した事業として参加者に安心してもらえることで、人と繋がりやすい環境ができています。また、支援センターの存在を知ったのも、チャレンジ事業がきっかけなのだそうです。

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■今後の展望は?
 「とにかく情報を求めている人・応援したい人の架け橋になるコミュニティにしたい。一宮の便利な土地柄を活かし地元に根づいた活動をしていく。」と南さんは繰り返しおっしゃっていました。「まずは大きくなくても、いろいろな人やものを繋ぎ、届けようとする場所ができたこと自体がとても大きい」という声もあります。
 今後は生きた情報を届けられるよう専門家から直接話を聞く機会を開いたり、個人と病院を繋げるような役割も担っていけたらと話してくださいました。

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■今後のイベントの予定
「闘病で脱毛する女性に届けたい100枚のタオル帽子」
・11月6日(土)10:00〜12:00 i-ビル2階 大会議室
・12月5日(日)14:00〜16:00 一宮市市民活動支援センター

・参加費:500円(中・高校生無料)
・持ち物:裁縫道具(貸出有)、糸切ばさみ

タオルのご寄付も受け付けています。(新品のフェイスタオル約34×80cmくらい)
詳細はこちら▼(チラシ記事)
http://138cc.sblo.jp/article/189043688.html

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■訪問して(スタッフ:魚住)
 事業内容のほか、タオル帽子作成が中・高学生無料になっている背景には、学生のうちに自分以外の人のことを考えて何かをする事や普段の学校生活とは違った経験、人との関わりを通じての気付きのきっかけになればという想いがあることを知り、様々な角度から幅広い繋がりについて考えられている団体という印象を受けました。
 闘病で脱毛を経験される方は少なくありません。そんな方に日常で出会ったら、身近な人の容姿が闘病生活によって変わったら、みなさんはどんな表情で、どんな言葉をかけるでしょうか?ぜひ帽子作成の活動に参加して、様々な方のそれぞれの想いがあること、闘病生活を過ごす方のことを、考えるきっかけにしてもらえたらと思います。

posted by iCASC at 10:38| インタビュー(訪問事業)