訪問先:湊屋倶楽部
2021年2月10日(水)茶店湊屋
2020年10月、クラウドファンディングを実施した湊屋倶楽部。目標額の2倍という驚異の結果を生み出した、その魅力について取材しました。

■湊屋倶楽部とは
築後150年の建物「湊屋文右衛門邸」という一宮市民の財産を、後世へ残せるよう活動している団体です。湊屋を食の拠点<茶店>とし美濃路の振興を図るとともに、イベントや集会の会場等様々な活用を行いながら日本の伝統的なくらし方を考える機会を作っています。
今回は、代表の大島八重子さんにお話をうかがいました。
市民活動情報サイト▼
https://www.138npo.org/info/group/kihon.php?group_id=159
美濃路・起宿「湊屋」公式サイト▼
http://minojiminatoya.com/

■湊屋文右衛門邸
慶応4年(1868年)の記録にも残る歴史的建造物です。日本で初めてのデザインタオルを製造したといわれる「小川タオル」の小川家をはじめ様々な方が住まわれたのち、平成21年9月市民団体湊屋倶楽部が管理をはじめ、平成22年9月には「旧湊屋文右衛門邸」として文化庁登録有形文化財に登録されました。
■2020年10月、クラウドファンディングで目標の200%を達成!(直接の寄付を含む)
そんな湊屋の老朽化が深刻化し、2020年10月にクラウドファンディングを実施。なんと目標額の2倍の寄付が寄せられました。


(はがれてきている外壁。)


(こんな素敵な内装の蔵は、外から見ると斜めに傾いているのがわかります。
ほかにも様々な場所に老朽化が見られ、今回集まった額を軽く上回る修繕費が必要なのだとか。)
代表の大島さんはインターネットにはあまり詳しくない中で、ボランティアの方々の心強いご協力により実施に踏み切られた今回のクラウドファンディング。大島さんは、とにかく“まずはやってみる”ことを大切にされていました。

(蔵の前には、西壁の修繕に必要な杉板が。秋までしっかり乾燥させてから使われます。)
まず行動して実績と信頼を作っていくことと、行動した結果が次への発見になること。そしてお客様の求めていることと、世の中の流れを先取りするような企画センスと行動力。
クラウドファンディング成功の背景には、湊屋の文化財としての魅力はもちろん、湊屋を支えてこられた大島さんの努力と魅力、そしてその魅力に惹かれて力を貸されてきた多くの方々の姿を感じられました。

(蔵の2階にある立派な手すりはボランティアの方の力作だそうです。
大島さんは、お客さんやボランティアの方のエピソードもたくさん話してくださいました。)
クラウドファンディングページ▼
https://readyfor.jp/projects/minatoya
■団体を訪問して(スタッフ:魚住)
ご自身は一銭も受け取らず、茶店を営み、イベントを催し、湊屋存続のためご尽力されている大島さん。団体立ち上げのきっかけは、とある方に頼まれたからとおっしゃるから驚きです。大島さんに湊屋を託した「歩こう会」の小塩さんは、さまざまな方々を適切なところへ繋げる、よく人を見ておられる方だったそうです。

(蔵を背景に、素敵な中庭が見られる席での取材でした。)
大島さんのいくつもの言葉が胸に残る今回の取材でしたが、特に「何事も、やるからには全力投球でしないといけない。」と力強くおっしゃっていたのが印象的でした。言葉にするのは簡単ですが、誰が見てもそうとわかるほどに実行してこられた大島さんの言葉は、とても重く感じられます。
湊屋は、歴史に詳しい方はもちろん、そうでない方も建物や景色を見るだけで楽しめる場所だと思います。まずは忙しない日常を一時だけ忘れて、歴史ある茶店でのんびり美味しいおはぎを頂きませんか。

(しっかりご飯も楽しんできました。とても美味しかったです。)
■最近の活動、今後の活動 ※すべて食事付き
3月31日(水)百人一首を語る 伊藤孝男氏
4月4日(日)花見弁当と田楽 大野栄閏江戸小咄
4月10日(土)野田寿子ジャズライブ
4月24日(土)湊屋貸切芝居公演
4月25日(日)湊屋貸切芝居公演
※詳細は「湊屋だより」をご覧ください。
http://138cc.sblo.jp/article/188322518.html
実は大島さんへ会うためだけに、湊屋へ足を運ぶ方も多いと聞きます。
「かわったおばけを見たい人は、怖いもの見たさでいらっしゃい。」(大島さんより)

(スタッフ:魚住)