訪問先 つくる。 代表古川様
2015年10月8日(木曜日)訪問第2回 (センター担当:安田)
2013年にイベントの訪問をさせていただきましたが、今回は平日の夜に行われた「つくる。スタッフミーティング」で、古川代表にお話をお聞きしました!
●「つくる。」という場所
繊維をつくってきた当時の熱意が残る「のこぎり屋根と古民家」
10年前、その建物の存続が危ぶまれ、残すことができたらという思いからはじまりました。
本業が庭師であるため、当初は、職人と衣食住を共にする場所を考えていましたが、モノづくりをする人、何かをクリエイトする人たちが集まる場所となればと思うようになりました。
●モノづくりを大切にしたい
テクニックを持っている人は、すぐにスタートをきれる。しかし、そうでない人もいる。頭に描いても、場所がなかったり、発信できなかったり、材料を購入するにも資金がなかったり、失敗の経験もできず、準備段階で諦めてしまうことがある。モノづくりをする人たちが悩みを抱えてスタートをきれない、という形は避けたかった。
「つくる。」は相談所でもなく、イベント屋でもありません。何にもないところから、何がほしいか、何が足りないか、壁にぶちあたりながら歩んできました。
古民家での暑さ寒さで過ごす環境など、決してやさしい場所ではないと思っています。会社組織ではないので、様々なところに手が届くわけではありませんが、来場する参加者が困らないよう近隣の駐車場を確保したりなどの最低限の準備を整え、様々な人が集まれる場所になればと思っています。
●「つくる。」でのルールはどうされていますか?
面白くない、つまらない場所では、のびのびと感性を伸ばせません。
細々としたルール決めはモノづくりに制限をかけることになるので、「人が不快になるようなことはやめよう!」「火のもとの確認しよう!」「鍵をしめよう!」など基本的なことを大切にしています。
●モノを作って発信しつづけ、更に10年続けられると信じて・・
古民家保存協会の人たちが訪れた時「助成金を使わず、みんなに活用されながら、自分たちの力だけでやっているのは初めて見ました」と言われました。
古民家やノコギリ屋根工場は、歴史的・文化的価値があります。維持をする覚悟と、庭師の技術で維持をしてきましたが、雨漏りなど、建物はどんどん古くなってきています。自分たちの世代で解決できることがあるのであれば、場所を守るために支援制度なども利用したいとも思います。
10年前は、電気、水道も通っておらず、真っ暗な廃墟のような空間で、どう維持していくのか、どう守っていくのか、自信を持てませんでした。
今は、10人より100人で、たくさんの人が関わりながら、想いが芽生える場所になればと思っています。
寺子屋にくる小学生や幼稚園の子どもたちが20歳を過ぎたころに、あの場所に思い出があり、守っていきたいという想いが繋がっていくとうれしいです。みんなが「つくる。」という場所に愛がめばえ、それを維持したいと思われる場所であってほしいです。
●代表であり、庭師である親方の古川さんより
庭師の経験より、石や木などから学ぶことは多く、それぞれが置かれる場所により光り輝くことができます。人も同じです。
そうした居場所づくりが一宮市内で展開されていくことが大事だと思います。
つくることに年齢は関係なく、年配の人たちの技術を継承していくことも大切で、最近では幅広い年齢層による世代間交流もあります。
また海外より来日するグループの滞在もあり国際交流もあります。
当初7〜8年間は看板もなく、訪れた人たちが、どこから入るかもわからない状態でした。多くの皆さんの目に留まるようになってきたのは、人に伝えての広がりが大きく、今では、情報発信をすることもできているので、更に広がっています。
「つくる」のあとに「。」を示した、完結して発信する場所という想いを込めました。言葉で説明することが難しいので、まずは「つくる。」へお越しください。
●取材して
この日は、庭師の方たち「つくる。八百屋」のスタッフ、鳥取へ行く道中の群馬県のアーティストなど、事務所には10名くらいの方がいらっしゃいました。
仕事の打ち合わせや、支援制度申請についてのミーティングなど、様々な話題が飛び交い、平日なのに活気ある夜でした。
古川さんから、ものづくりの大切さ、「つくる。」のありかたなどをたくさんお話いただき、共感する部分がたくさんありました。
また、気さくにお話いただく中、一宮市市民活動支援センターへのイメージも聞いてみました。
・情報誌がよみやすくなっている
・敷居が高いイメージがある。
・堅苦しくなく、友達に語りかけるような集まりの方が混じりあえる気がする。
・交流会をもう少しフランクな形にできないの?
そうしたご意見をお伺いし、交流に関して分野ごとで区切ることもいいのかな?と考えていましたが、混在していた方がいいのかもしれません。センターの役割は何?と改めて考える時間でした。(安田)